畳表の材料「い草」とは(その1)

イグサの収穫研修

今日は昨日までの酷暑がようやく収まったみたいで少しほっとしている、新関です。
でも台風が接近中でびくびくしているこの頃です。

ちなみに畳表の産地、熊本県八代地方では、畳表の原料「い草」の収穫が終わりました。

今い草農家さんはイ草の二次苗の植え付け、米の植え付けなどたいへん忙しい日々を過ごしておられます。

ここで畳表の材料い草についてご紹介しようと思います。

畳表は工場で作られていると思われるかもしれませんが、畳表を製織(織り機で畳表を織るので製織ですね(笑))しているのは、ほとんどい草農家さんです。(一部製織業者さんもいらっしゃいます)

忙しいこの時期を除いて、い草農家さんは刈り取って乾燥したい草を使って「畳表」に仕上げています。そして市場などで商品になるわけです。

では、畳表の材料である「い草」とはどんな草なのでしょうか?

い草には一般的な枝分かれした葉はなく、一本の茎しかないような感じですが実は成長すると茎の中間に花が咲くのですがそこから先が葉に当たるそうです。しかし畳表にするときには花が着くとそこが折れやすく品質が低下することから養分を与えて花が咲かないようにして収穫しています。

「い草」、もともとは半湿地に生える草で、原草は雑草として色々なところで見かけることが出来ます。ただそういう「い草」を自宅で栽培してもあの長い「い草」にはなりません。栽培方法が違うのです。

いぐさの種の大きさは長さ0.6mm お米の長さが5.2mmくらいですから米粒の約1/9くらいの大きさで1000粒集めても重さは30㎎しかありません。ちなみにお米は22gくらい。(約730分の1)

そして、種から育てても1本の草になるまでは6年もかかり、3年の間は双葉のままだそうです。そして草になっても品質にはばらつきが大きいため、種からの栽培はできません。

そこで、苗床で育成した株をさらに株分けし、い草の苗として田んぼに植え付けます。それでも苗床から本田での収穫まで2年を要します。

い草の栽培は時間と手間のかかるものなのです。

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